パワーポジションは万能ではない
- TASK
- 2020年6月14日
- 読了時間: 3分
更新日:2020年8月3日
パワーポジションは、トレーニングの際やDFの正しい姿勢として認識されており、トレーニングでは多く目にする姿勢です。
しかし、誰もが行っているからといって、それが本当に正しいとは限りません。
刻一刻と局面が変化するスポーツにおいて、何を持って正しいと判断するかは難しいところです。
今回は、そのパワーポジションのメリットとデメリットについて書きたいと思います。
パワーポジションは、下半身を鍛える目的だけでなく、下半身が安定するため上半身を鍛える際にも多用されます。
まず、パワーポジションは側面から見て膝がつま先よりも前に出ない・背骨とスネの角度が平行で、背骨が反ったり、丸まったりしていない。
また、正面から見てつま先や膝が真っ直ぐであることなどが注意点として上げられます。

引用:https://ameblo.jp/bmai/entry-12345659595.html
パワーポジションのメリットは
足関節・膝関節・股関節が均等な関節角度となり、関節への負担が少ない
大腿四頭筋やハムストリングス、大殿筋、腸腰筋・脊柱起立筋など姿勢を保持する筋肉が活動するため安定性する
安定した姿勢からしっかりと踏み込むことができるため、次への動き出しが早い
上記と同じ理由からパワーが発揮しやすい
などのメリットがあります。
しかし、物理学において、物体が安定しているということは、逆に動きに難いことを意味します。
また、解剖学的構造上、大腿四頭筋はブレーキ筋としての作用があり、大腿四頭筋が働いているということは、次の動作に移るために一度大腿四頭筋の活動を抑制する必要があり(またはブレーキをかけた状態でアクセルをかける)、動き出しが遅くなってしまいます。
これらの点において、明らかにパワーポジションが動き出しに適しているとは言えません。
攻守がめまぐるしく入れ替わる近代スポーツにおいて、動き出しが遅くなるということは大きなマイナスポイントです。
そのため、テニスのサーブ時の守備側の選手やバスケのジェームズ・ハーデン選手などはパワーポジションで構えるのではなく、次の動き出しを考慮し、大腿四頭筋が働き難い構えをしています。
この姿勢はパワーポジションよりも高重心であり、物理学的にも動き出しに適していると言えます。

パワーポジションは動き出しが早いと教わった方も多いと思います。
しかし、物理や解剖学的視点からは動き出しの遅さが指摘されており、各競技のトップ選手はパワーポジションをとっていないことがほとんどです。
実際にそういった視点からスポーツを見てみるのも良いかもしれません。
今回パワーポジションについて取り上げましが、安定性を必要とするコンタクトプレーの瞬間などでは、パワーポジションが適している場面もあり、それぞれの局面を想定した身体の使い方が重要です。
TASKでは、プレパワーポジションという安定性も動き出しも両方を備えた姿勢を指導しています。
写真の大阪なおみ選手のような極端な姿勢ではなく、どのスポーツでも使用できる汎用性の高い姿勢です。
ブレーキ筋である大腿四頭筋の活動を抑えつつ、股関節の適合性が良いアライメントになるため、動き出しが速くなります。
それだけではなく、ランニングの運動効率の向上やジャンプ力向上、素早いターンや素早い切り返し、ゴルフや野球などのスイング動作のパワー向上などにも繋がります。
ご興味ある方は、指導依頼お待ちしています。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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