今回は肩甲骨に絞って書きたいと思います。
肩甲骨を「開く・閉じる」
意識したことがない人にはなんのことか分かりづらいと思います。
「肩甲骨が開く」とは、肩甲骨が背骨から離れる動き
「肩甲骨が閉じる」とは、肩甲骨が背骨に近づく動き
よく「胸を張れ」という言葉を耳にすると思いますが、ほとんどの人が肩甲骨を閉じる方向に動かすと思います。
実は、この「胸を張れ」という言葉は、スポーツにおいてパフォーマンス低下に大きく影響してきます。
肩甲骨は腕の土台として機能しています。
解剖学的には腕を耳の横まで挙げた際、120°は肩関節の動き、残り60°は肩甲骨の動きになります。
このとき、肩甲骨は上方回旋といって、背骨から離れながら上方向に開いてきます。
このように1/3は肩甲骨の開く動きによって、腕を挙げるという動作が成り立っています。
肩甲骨は肩関節を安定させる土台として機能していると同時に、動きにも大きく関与しているのです。
つまり、肩甲骨が閉じている人は、腕の動きが小さくなるだけでなく、肩甲骨が動かないことで肩関節には大きな負担が生じる原因となります。
実際に、野球やバレー、テニス等のオーバーヘッドスポーツでは、肩甲骨の動きが低下していることで、肩関節や肘に痛みが生じることが多くあります。
痛みとして生じることはオーバーヘッドスポーツ特有となりますが、サッカーでは上半身操作の重要性が注目されており、サッカーにおいてもパフォーマンス低下の一助として位置づけられています。
また、マラソンや駅伝などの長距離競技では肩甲骨の動きが以前から重要とされ、胸を張る習慣があり、肩甲骨を閉じる癖がある選手は、肩甲骨が固まり、腕の振りに悪影響を与えてしまいます。
このように走ることにおいても肩甲骨が自由に動くことが重要とされ、ほぼすべての競技に関係してくる部位になります。
では、どうやって肩骨の開きを獲得するかです。
立甲ができることが一番となります。
ただ、これは適切な指導を受け、練習しないことにはなかなかできるようにはなりません。
運動神経が優れている人のなかには、脇を締めるという動作が日常やプレー中に無意識下で定着しているため、はじめから立甲ができる人もいます。
肩甲骨を開いて使うために重要なことは、脇を締めるということと普段の姿勢です。
肩甲骨を閉じなければ良姿勢が保持できない要因の一つに、腹圧の低下が挙げられます。
腹圧を維持できないことによって、肩甲骨を閉じることで体幹の安定性を保とうとすることや見た目を気にして胸を張ることに繋がります。
このようなパターンの方に必要なトレーニングを紹介します。
1つめは、重量物を持ってのシザースです。
重りはバーベルの他ダンベル、メディスンボールでも可能です。
腕を天井に伸ばすようにこれらの重りを持つことで肩甲骨が開き、体幹の安定性を肩甲骨が閉じることで代償させないことが狙いです。
また、前鋸筋と腹斜筋を繋げるトレーニングにもなります。
※腿裏のハムストリングスの柔軟性がないとできないトレーニングになります
2つ目はクレーンです。
以前、脇を締めるの回で紹介したトレーニングになりますが、こちらはハムストリングスの柔軟性が必要ないことと、自重を利用しているので、どこでも行なえます。
最後までお読み頂きありがとうございました。
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