相手をおき去りにする動き出し
- TASK
- 2020年10月28日
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サッカーやバスケットでは100mや50mを全力で走る絶対的スピードよりも、相手より1歩2歩早く動き出し、プレーを優位に進めていくための相対的スピードが重要となります。
今回はその動き出しの方法について書いていきます。
人は重心を移動することによって自らが意図した方向に動くことができます。
重心を移動する方法はいくつかありますが、最も多用される方法は地面を蹴ることです。
まず、この地面を蹴る動きについて説明します。
地面を蹴って動くということは、地面に一度力を加え、その反力を利用して動き出すということになります。
地面に一度力を加える際には、重心を一度進行方向とは逆に移動させる必要があります。
つまり、床に力を加えるため重心を移動するという動作と地面を蹴るという動作の二動作で動き出しが行われています。
これでは、重心が移動するフェーズがあるため、相手からしてみれば容易に動き出しの瞬間が予想でき、相手より早く動き出すことは困難となります。
そのため、フェイントを利用して、相手の重心を一度崩すことで、相手を遅らさせるという戦略を使用していると思います。
これが、皆さんが一般的にしている動き出しです。
しかし、早く動き出すためには二動作ではなく、一動作で動けるようになる必要があります。
実際に立位になって行ってみてください。
両脚で立っているときは、片脚に5割、もう片方に5割の体重が乗ります。
この時、重心線は両脚の中心、臍、頭を通っているはずです。
ではこの重心線をできるだけ移動せずに、右脚を挙げてみてください。
身体は右側に倒れていくと思います。
これは、右側に動くために左足で蹴るのではなく、右脚で支えるのをやめるという身体の使い方です。
古武術などではこの動きを「抜き」呼んでいます。
この動き出しでは重心が進行方向と反対側に移動するというフェーズがないため、動き出しが一動作で完了します。
これに上半身の動きを加え、角度つけることでより早い動き出しとなります。
この動き出しではただ早いだけでなく、予備動作がないため相手から動きが予想しづらいという特徴の他、地面を蹴るという動作が最小限になるため、疲労の軽減や脚にかかる負担が減り、シンスプリントやアキレス腱炎・断裂などのケガ予防にもなります。
この動きを身につけるためには、反復した練習が必要ですが、バスケやサッカー界のトッププレーヤーはこの動きを多用しており、相手より1歩.2歩早く動き出すために有効な手段となります。
最後までお読み頂きありがとうございます。
追伸
この他にも相手より早く動くための動き出しには、いくつかのテクニックがあります。
特にサッカーでは、メッシやネイマール、ロッペンなどのトッププレーヤーはもっと複雑な軸足操作を行い、動き出しですでに戦況を優位に進めています。
ご興味ある方はご連絡ください。
トレーニング指導受け付けています。
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