「脇をしめろ」という言葉は、数多くの競技で指導されるポイントになります。
しかし、言っている側も、聞いている側もはっきりと言語化して説明できない方が多いのではないでしょうか。
そして、脇を締めることでのメリットやトレーニングについて、ご存知の方も少ないのではないでしょうか。
脇を締めるという動作は、全てのスポーツにおいてかなり重要です。
今回は、「脇を締める」という言葉が示す以下の事柄についてまとめたいと思います。
脇を締めるとは
脇を締めることでのメリット
脇を締めるためのトレーニング
3回に分けて書いていきます
【脇を締めるとは】
まず、「脇を締める」と「脇を閉める」はまったく違います。
最も多い間違えはここを混同してしまうことです。
言葉の意味から整理します。
「締める」とは固定して動きにくい状態にするという意味
「閉める」とはドアなどを閉じるという意味
「脇を締めろ」と伝えた時に多くの人が上腕と体幹が密着した状態のイメージを持ちます。
しかし、言葉の意味からも上腕と体幹が密着する必要はありません。
実際、上腕と体幹の間に空間があったとしても脇を締めることは可能です。
では、どういうことかというと、肩関節を外に捻るという動きが「脇を締める」という動作になります。
解剖学的な言葉では肩関節の外旋です。
もっとわかりやすくすると、身体の前面に腕がある場合は、肘の裏面(力こぶ側)が正面を向くこと。腕を横に広げていれば肘の裏面が上を向くことです。
※立甲ができれば内旋位だろうが脇を締めることは可能
これが脇を締めるという動作で、体幹と密着していなくとも肘の裏面の向き次第で脇を締めることができます。
バレーのレシーブを思い浮かべて頂くとわかりやすいのではないでしょうか。
この時使用する筋肉は肩関節のインナーマッスルと前鋸筋という筋肉です。
特に重要なのは以下の写真の前鋸筋という筋肉です。
引用 プロメテウス解剖学アトラス 出版:医学書院
写真の様に腕をリーチしている際、脇腹に鋸状に見える筋肉になります。
この筋肉は、肩甲骨と肋骨に付着しており、呼吸補助筋として働く他、上肢と体幹を繋ぐ機能があります。
つまり、上肢と体幹を連動して使うことができるということです。
次回、脇を締めるためのメリットについて書きたいと思います。