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腸腰筋が機能するための条件




最近腸腰筋のトレーニング動画をよく目にしますが、そもそも腸腰筋がしっかりと働くためには腸腰筋が機能するための土台がないといけません。



そこで今回は腸腰筋が機能するための土台について書いていきたいと思います。




スポーツにおいて腸腰筋はとても重要な役割を果たしています。



特に陸上短距離では、走ることが競技結果に直結するため、腸腰筋の重要性は非常に大きく誰もがトレーニングをしている部位になります。



走ることにおける腸腰筋の主な作用は脚を引き上げる作用になりますが、土台がしっかりとしていない多くの選手は、腸腰筋ではなく大腿四頭筋を優位に使って脚を引き上げています。




腸腰筋をしっかりと機能させるためのポイントは、大きくわけて以下の3つになります。




姿勢・体幹の安定性・股関節の柔軟性





腸腰筋が効率よく働くためのアライメントとして、腰椎が中間位の状態での安定性が重要となります。




画像のように、腸腰筋の一部である大腰筋は胸椎の12番目と腰椎の1~4番目から股関節に付着しています。



そのため、普段の姿勢から股関節のコントロールと体幹の安定性に非常に重要な役割を果たしており、良姿勢を保つために必要不可欠な筋肉です。



骨盤が後傾している選手は普段の姿勢から腸腰筋の活動が弱く、表層にある腹筋群を優位に使い姿勢を安定させています。



このような選手は腹筋群が短縮しており、下記図のフロントラインという筋膜のつながりにより、走っている際、腸腰筋よりも大腿四頭筋が使われやすい傾向にあります。




逆に腰が反ると腰椎が安定するため、腸腰筋は働きやすくなりますが、腰椎は反るストレスに非常に弱く、腰痛や腰椎分離症、腰椎すべり症といったケガに繋がってしまいます。



外国人選手をみると腰の反りが際立っており、反っている方が良いようにも思えますが、日本人と外国人では骨盤の構造が違うためマネをしても痛めてしまうだけとなります。



ちなみに、腰椎分離症、腰椎すべり症になった場合、6ヶ月間運動が制限されるため選手として非常にもったいない期間を過ごしてしまうことになります。



これらの理由により、腸腰筋を機能するための土台として、良姿勢が不可欠です。




しかし、いくら姿勢が良くても走るという負荷に耐えられなければ意味がないため、体幹の安定性も必要になります。



特に腸腰筋は腰椎前面に付着しているため腰椎の安定性が重要です。



走っている最中、腰は丸まっても反っても機能的とは言えません。



中間位が常に保持できていることが理想とされます。



今回体幹トレーニングについては長くなるため記載しませんが、上体起こしのような腹筋運動ではなく、手足を動かした状態でも腰椎の中間位保持ができるようなトレーニングが有効です。




次に股関節柔軟性についてです。



筋肉がしっかりと機能するためには、伸張反射といって、伸びたゴムが急激に縮む様な作用を誘発する必要があります。



伸張反射の特徴として、筋肉が引き伸ばされているほど、強く収縮するという特徴があります。



そのため腸腰筋の付着部である股関節は、伸展(脚が後ろに動く運動)可動域が十分にあることが、腸腰筋が引き伸ばされるための条件となります。



また、腿の裏にあるハムストリングスの柔軟性が低いと骨盤が後傾するため、腰椎が後彎しやすくなり、腰椎を中間位に保つことが難しくなってきます。



このハムストリンスと腸腰筋は拮抗筋という関係になっており、どちらかが硬いとどちらかの作用を阻害する特徴があるため、そういった意味でも股関節の柔軟性は重要となってきます。





最後に腸腰筋とハムストリンスのストレッチが同時にできるプレコモドというストレッチを紹介します。



陸上競技ではストライドに直結するため、重要なストレッチです。





腸腰筋の機能を最大限活かしたい方は、是非行ってみて下さい。






今回は、陸上競技で特に注目されている腸腰筋がしっかりと機能するための条件について書きました。



姿勢・体幹の安定性・股関節の柔軟性

最低でもこれらが土台にないと、いくら腸腰筋のトレーニングを行っても効果は出ません。

無駄な努力にならないためにも、この3つの土台もトレーニングを行いましょう。





次回は、腸腰筋の伸張反射を効果的に引き出すトレーニングを紹介しようと思います。

ピッチを上げるためや脚が後ろに流れてしまうのを防ぐために有効なトレーニングです。






最後までお読みいただきありがとうございました。


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