最近、身体の連動性というワードをよく聞きます。
しかし、何を持って連動性というのかは曖昧なとこではないでしょうか。
今回は、その連動性を高める理論とトレーニングを紹介していきたいと思います。
まず、身体の連動性が高まるメリットとして、動きの効率性向上やハイパワー・ハイスピード・省エネ(持久力向上)・動きの再現性(コントロールが良くなる)・動きのキレ・ケガの予防などのメリットがあります。
その連動性を高めるトレーニングとしてRSSCという理論をご存知でしょうか。
RSSCとはRotator Stretch Shortening Cycleの略であり、回旋系伸張反射を意味します。
これはスポーツトレーナー団体のJARTAが提唱している理論です。
RSSCとはSSC(Stretch Shortening Cycle)に回旋の要素を取り入れたトレーニングになります。
SSCについては、トレーニングについて調べたことがある人であれば、大半の方が知っていると思います。
筋肉の伸長反射(筋肉の伸び縮み)を利用したトレーニングで、バウンディングやカウンタームーブメントジャンプなどのトレーニングが有名です。
しかし、ハイパフォーマンスな動きをする際、人の解剖学的構造上SSCでは不十分で、多くの場合回旋の要素を含む、RSSCの動きを多用しています。
例えば走るという動作において、上下肢が対角線上の動き行うため、背骨や骨盤が回旋しているだけではなく、相対的に上下肢は前方に移動した際に外捻り、後方に移動した際に内捻りの運動が生じています(それぞれ屈曲・外旋運動、伸展・内旋運動)。
これは背骨を通して運動が上下肢へ波及した結果であり、走るという動作そのものが、身体が連動し、RSSCを反復している動きになります。
そのため、走る際の連動性の質は、人によって大きく異なります。
特にスプリントの際、脚が後ろに流れていく選手はこのRSSCが使えていない可能性が高いです。
ここで、重要となるのが背骨です。
脊椎動物の全ては、背骨を通して運動を全身に波及させています。
つまり、背骨が硬ければ連動性は出ません。
本当に体幹を固めるトレーニングばかりしてよいのでしょうか…
そのうち掘り下げ記事にしていきます。
では、どういったトレーニングで背骨を通して運動を全身に波及させるかですが、RSSCのトレーニングを一部紹介したいと思います。
【コモドドラゴンⅡ】
【スパイラルスイング】
これらは全身の連動性を引き出すトレーニングになり、難易度がやや高いです。
実際にはこれらのトレーニングをする前に、前提となるトレーニングをクリアしてから行っていきます。
このようなRSSCのトレーニングは、身体の連動性を最大限に引き出すことができるトレーニングモデルです。
上達するにつれ、背骨から末梢への運動の波及が実感できるようになります。
また、上記でも書いたように、RSSCのトレーニングはハイスピード、ハイパワー、省エネ、動きの再現性、ケガ予防などスポーツにおけるメリットが数多くあります。
このように、人がハイパフォーマンスな動きをする際、伸長反射だけでなく、回旋系伸長反射の要素が必要不可欠であり、多くのトップアスリートはこのRSSCを使いこなしています。
バウンディングなどのSSCのトレーニングももちろん必要ですが、身体の連動性を考慮するとRSSCのトレーニングも必須となります。
最後までお読み頂きありがとうございます。
今回のRSSCのトレーニングについて興味がある、身体の連動性を出したいという方がいましたらトレーニング依頼受け付けています。