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「脇を締めろ」という言葉の本当の意味②

更新日:2020年8月3日


前回、脇を締めるとは、どういったことを示すのか、どの筋肉が働く必要があるのかについて書きました。




今回は脇を締めることのメリットについて書いていきます。


前回お伝えしたように、前鋸筋という筋肉がkey muscleですが、この筋肉は肩甲骨と肋骨に付着し、上肢と体幹を繋ぐ役割を担っています。



これは単に、上肢と体幹の安定性が向上し、上肢の力が効果的に発揮できるというだけではありません。


その他にも

  1. 下肢から波及してきたエネルギーを、体幹を通して上肢に伝えたる。

  2. 上肢からのエネルギーを、体幹を通して下肢に伝える。

という役割があります。


1は上行性のエネルギー伝達。

2は下行性のエネルギー伝達であり、

1は野球やゴルフなど、2は陸上やサッカーなどです。


それぞれ、野球やゴルフでは下半身の重要性、サッカーでは上半身の重要性が謳われる理由の1つになります。

ここについて掘り下げると長くなるためまた別の機会に掲載したと思います。



話をもどします。

例えば、スプリントやランニングにおいて腕を振ることは一般的ですが、これは上半身で作った運動エネルギーを下行性に下肢に伝え、推進力として利用するためです。



この時、脇を締めることのできない選手は、上半身で作った運動エネルギーをロスすることになります。


そのため、一生懸命腕を振っても推進力が得られず、効率よく走ることができません。


このような選手は、パフォーマンスの向上のために、脇を締めるトレーニングが必須となります。




また、図のように前鋸筋は外腹斜筋と筋連結があり、さらに筋膜を介して下肢へとも繋がっています。

引用:アナトミートレイン 医学書院 


これはスパイララインと呼ばれ、前鋸筋が働くと腹斜筋が働き、腹圧が高まることで体幹の安定性が高まるだけでなく、下肢との連動や伸長反射による弾性エネルギーも得ることができるようになります。


多くなりましたので、脇を締めることでのメリットについてまとめます。

  • 上肢と体幹の安定性が向上し、上肢の力が効果的に発揮できる

  • 下肢から波及してきたエネルギーを、体幹を通して上肢に伝えたる

  • 上肢からのエネルギーを、体幹を通して下肢に伝える

  • 腹圧向上による体幹安定性向上

  • 下肢との連動性向上

  • 伸長反射による弾性エネルギーが得られる

これらが、スポーツにおいて脇を締めることのメリットになります。

このように、脇を締めることでのメリットは数多くあり、どの競技でも「脇を締めろ」と言われる理由になります。


次回は脇を締めるためのトレーニングについて書いていきたいと思います。


最後までお読み頂きありがとうございました。

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