「体幹=固める」はパフォーマンスを下げる
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- 2020年7月11日
- 読了時間: 3分
更新日:2020年8月3日
最近では体幹トレーニングという言葉がスポーツだけでなく、ダイエットや健康増進でも使われるようになり一般的になっています。
それと同時に「体幹=固める」という間違った概念になってきているようにも感じます。
そう思っていなくとも、体幹トレーニングというとプランクが真っ先浮かぶことやサイドブリッジの状態で足を外に開いて中殿筋を鍛えたりなど、体幹を固め四肢を動かすようなトレーニングが多くなっているのではないでしょうか。
今回は、そういった「体幹=固める」という考え方がスポーツパフォーマンスにマイナスの影響を与えることについて書きたいと思います。
まず、前提として体幹を固め安定させる能力はスポーツにおいて必ず必要です。
そのため、この記事が今までの体幹トレーニングを否定するものではないということを理解して読んで欲しいと思います。
この記事で伝えたいことは、体幹を固めるトレーニングばかりを行うと、スポーツパフォーマンスを低下させるリスクがあるということです。
では本題に入ります。
スポーツにおいて体幹を固めた状態というのはほとんどありません。
サッカーなどでは、コンタクトプレーなど瞬間的には存在するかもしれませんが、90分を通して、身体を固めているということは、ほんの僅かな時間だけです。
そもそも走るという動作は、脊骨が湾曲を繰り返し、体幹が動的な安定性を保持した状態で四肢と連動することが重要となります。
しかし、実際に行われているトレーニングは、プランクやサイドブリッチの状態で体幹を固め四肢を動かすなど、競技特性を無視したトレーニングを行い続けています。
ここで考えて欲しいのは、スポーツにおいて体幹はどういった機能が必要となるかです。
スポーツで必要となる体幹の機能は、動的な安定性を保持した状態で四肢を自由に使うことができる能力です。
また、体幹の重要な構造として背骨があります。
背骨はRSSC(回旋系伸張反射)を発揮するために重要な構造であり、RSSCはハイパフォーマンスを発揮するために必須の要素です。
体幹を固めて使うと、このRSSCが発揮されることはありません。
RSSCについてはこちらをご覧下さい。
まとめると
スポーツにおいて体幹を固める時間はほんの僅か
体幹に必要な能力は動的な安定性を保持した状態で四肢を自由に使える能力
体幹を固めることで、四肢との連動性がなくなる。RSSCが発揮できない。
つまり、体幹を固定するトレーニングは必要ですが、継続すればするほどマイナスの効果が生じることを知っておかなければなりません。
また、それと同時に動的な安定性を高めていくトレーニングを行っていく必要があります。
その1例として、スネークというトレーニングをご紹介します。
体幹を固定して使うのではなく、動的安定性を保持したまま、四肢と体幹を連動させるトレーニングになります。
力任せに身体を支えようとすると、非常にきついトレーニングですが、身体の連動がうまく引き出せるようになると、そこまできついトレーニングではなくなってきます。
このトレーニングで重要なポイントは脇を締め体幹との連動性を高めることです。
脇を締めることの重要性についてはこちらをご覧下さい。
このトレーニングは単に体幹機能を向上させるためだけのトレーニングではありませんが、体幹の動的な安定性を保持したまま四肢を動かすトレーニングとしては有効となります。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。
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